夜より遠い闇に続いて読んだ北方謙三さんの作品。角川文庫、平成7年10月初版発行の文庫本です。帯には「ハードボイルドの系譜を塗りかえる孤峰の大長編小説」と記しています。これは約束の街シリーズの第一作目だそうです。
ある海沿いのリゾートタウンで展開される物語で、所有する船でクルージングなどを行うムーントラベルという会社を経営する若月真一郎が主人公です。彼のニックネームはソルティ。なんとなく良い響きの呼び名です。
ソルティは揉め事の臭いをかぎつけるのが得意で、どんどん自分から絡んでいく。今回は、葬式で見かけた男が夏の強い太陽の下でも全く汗を掻いていなかったことが気になったのが事の始まりでした。
もちろん喧嘩は強くて拳銃の扱いも慣れてる。林の中で殺しのプロ4人と銃撃戦になった場面。こちらは2人で、相手はM16自動小銃まで持っているという不利な状況でも切り抜けてしまう。
別の場面では日が暮れた山の中。人が殺しあっているをの眼にすることなく、気配と音だけでその状況が読み取れる。
あと、どのような場面でも冷静で状況判断能力が良い。この点は自分もそう在りたいですね。
こんなソルティでも「いるんですね、あんな男」と言わせるほどにハードボイルドな男が話の中に登場します。
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