東野圭吾さんの作品を読むのは2作目です。1作目の天空の蜂が読み応えあって良かったので、又、東野さんのを選んでみました。
この作品の初出は1998年だそうで、読んだのは2007年発行の単行本です。
冒頭、岸中美菜絵が交通事故で死亡するのですが、その事故シーンの描写が印象的です。
車と壁にはさまれて自分の体がつぶれていく、一瞬の出来事を様子が細かく記されている。骨がぽきぽきと折れて、内臓がつぶれていくのを彼女は認識している。と同時に脳は彼女に幼い頃や高校時代など過去の映像を見せる。
そして死の間際、彼女は自分を死に到らしめようとしている車の運転手と目を合わせる。許さない。恨み抜いてやる、たとえ肉体が滅びても、の思いをこめて運転手を睨む。
最終的にその眼・ダイイングアイは彼女の思いを果たすことになる。この作品は不気味で怖い話でした。
途中、主人公の雨村槇介を弄ぶ瑠璃子は「僕の彼女はサイボーグ」みたいなロボットかと思いました。樫本幹男というコンピュータソフトの会社に勤めている男が登場した時、話はやはりその方向に向かうのかと期待したが違った。
この、瑠璃子の雨村に対する行動の訳がよく分からずじまいです。
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