高嶋哲夫さんの作品で、幻冬舎から2010年に発行された単行本です。このタイトルだと内容がイメージし難いですが、棚からぼた餅のごとく落ちてきたのは国会議員の座です。2012年に発行された文庫本ではタイトルが「衆愚の果て」に変更され加筆もされているようです。
主人公の大場大志 27歳は、衆院選挙の民有党比例区の公募を新聞で見て応募。結果、民有党に追い風が吹いて名簿順位98位だった彼も初当選してしまう。
彼の活躍を通して国会議員の現実の一端を分かりやすく紹介しています。特にお金の話は何度も出てきます。月給130万円とボーナス約630万円、年収にして約2,200万円を得ることができる。その半年ほど前から無職だった彼にとって正にタナボタです。立法事務費はパソコンやアルバイト代といった様々な用途に使える便利なお金であると、など。
この選挙で大場のような素人が百人あまり当選しました。現実、2012年衆院選で当選した新人は184人もいました。が、この人たちは仕事をしなくても特に問題は無いとか。何せ衆議院480人、参議院242人いる中で政治はほんの一握りの人間が動かしていて、残りの大部分は数合わせのためにいるのだから。
数合わせのために多くのお金が使われていると知ると怒りも感じますが、これは文庫本ではタイトルにもある衆愚がもたらした結果でもあると思います。もっと政治に関心を持ち賢くならないと。あと、新人の中に大場のような、有能な政治家の卵がいることも期待したい。
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