2010年に発行された福田和代さんの単行本。早川書房が刊行している一連のハヤカワ・ミステリワールドのひとつです。
主人公の能條良明は天才ハッカーでクラッカーでもあり、ネット上ではプロメテウスと名のっていた。
彼は政府が国民のメールや電話といった通信を監視したりする社会が気に入らない。誰でもそうですが、彼はその思いを行動に移す。お上に逆らうプロメテウスです。この話では公的機関が隠している国民に知られては困る情報を明るみにする。
プロメテが行ったクラッキングを少しピックアップすると次のようなものでした。
FBIのカーニボーに侵入。この件では逮捕された。
パスポートの生体認証データを偽装し、読み取り機を誤動作させるプログラムも仕込む。
財務省のシステムに侵入してセキュリティ上の弱点を教示する。
ロジカル社にはソーシャルハッキング。
通信機器の傍受を行うFBIの監視システム DCSネットのひとつで、デジタル・ストームと呼ばれるDCS・6000へ侵入し、記録されている通話の内容を盗み見る。
携帯電話会社のサーバーから特定の人物の通話履歴を確認する。等々、ネットの世界を自由自在です。
日本も特定秘密保護法を成立させて情報漏れを防ごうとしていますが、凄腕クラッカーに狙われたら守りきれるのだろうか。
関連ページ:サイバー空間で自衛権発動 サイバー・コマンドー
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