殺人はそよ風のように (光文社文庫)
赤川次郎さんの「殺人はそよ風のように」を読んだ。最近、プレミアム・コレクションとして再販されたようですが、私が読んだのは昭和59年に発売された文庫本です。定価380円となっています。
自分で買った物ではなくて物置で偶然見つけ、タイトルにある殺人とそよ風という組み合わせに少し違和感を感じたので読んでみた。元となったのはオペラの題名「陰口はそよ風のように」だそうです。
カバーには次のような内容説明が書かれていました。
人気絶頂のアイドル歌手・星沢夏美の歌を、ファンの本堂克彦が盗み録り。だがテープから流れてきた声は? 自殺未遂の夏美が入院した病室で、マネージャーが殺され、夏美は克彦兄妹にかくまわれるが、今度は妹の千絵が誘拐された。一週間後のコンサートは開けるか 超過密スケジュールの著者が放つ書下ろし話題作。
長編推理小説と言うことですが、特に何かを推理することも無く軽快に読み進んだ。登場人物が少ないので犯人を予想するのは比較的容易だったからと思う。
本堂克彦は大ファンだった星沢夏美に接近しようと試み、それを成功させる。でも近づいてみると、テレビで見る星沢夏美は作られた虚像だったことやスキャンダラスな事実も知る。
これが発売された昭和59年、1980年代のアイドルはその情報量も限られた手が届かない遠い存在でした。アイドルはトイレに行かない等とまだ言われていた時代で、当時これを読むと少しショックだったかも。
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