サイバー・コマンドー
福田和代さんの、2013年に発刊された作品で、日米中でサイバー戦争が勃発する話です。
対応するのは自衛隊指揮通信システム隊 サイバー防衛隊捜査小隊の中の、通称「サイバー・コマンドー」と呼ばれるチーム。彼らの仕事はサイバー犯罪の情報収集や捜査ではなく、相手を攻撃することです。
日本がサイバー空間において自衛権を発動する場合、リアルな武力攻撃と同様に憲法9条の制約を受けて、その発動は下記3要件が満たされる場合のみと考えられているとか。
- コンピューターウィルスや不正アクセス等によるサイバー攻撃を現実に受けたこと。
- 重要なインフラやライフラインに大規模な被害を受けたこと。
- 国民の生命や財産を脅かしていること。
ただ、サイバー攻撃は相手が国家なのか組織なのか、個人という事も有りえるので、犯人特定が困難です。そのため、自衛権を発動するかしないかで国会は紛糾しました。
サイバー・コマンドーは、様々なトレースバック手法を組み合わせて攻撃元を探知し、そこにゼロデイ攻撃を加えるツールを使用しました。しかしこのツールも敵から見ればマルウェアの一種に過ぎず、相手にとって大きな脅威にはならないので、日本はやられっぱなしでした。
話の中で、日本社会は甚大な被害を被る。現実でもその可能性は十分考えられます。
今、安倍総理は「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制を整備します」と言うが、サイバー空間の安全確保もお願いします。利用者のセキュリティ意識は重要ですが、サイバー攻撃に対する抑止力も必要です。
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