エクサバイト
初めて読んだ、服部真澄さんの作品。何かのアルバイトに関する話かと思ったら、エクサバイトとはデータの量を表す単位でした。
2025年、データ記憶媒体は大容量化と小型化が進み、人は一生の間に見聞する情報の全てを、体内に埋め込んだ装置に記録できるようになっていました。
「ヴィジブル・ユニット」と呼ばれるその体内端末は、視線とほぼリンクした範囲の画像をとらえ記録してゆく。耳にも音声の振動を拾うための機器が挿入されている。体内端末の大きさは5百円硬貨ほど。
メモリは15テラバイトあり、人が一生にわたって見聞きしたもの全てを記録ても十分ゆとりのある容量とのこと。例えば80年生きたとして、寝ている時間を除くと録画されるのはおよそ47万時間になるはず。これが15テラで記録できるのだろうか。何か効率のいい記録方法が開発されているのかもしれない。
装置の動作に必要な電力は、発電ユニットから外皮手術を経ずに供給できる。一回フル充電で何日くらい使用可能なのでしょうか。
あと、録画を中断したり、削除することも可能です。企業が秘密を撮られたくない場合や、映画館などはスクランブルをかけることで録画されるのを防ぐことも出来ます。
この小説が世に出た2006年当時からだと、2025年のこの話はまだ少し先の近未来でした。それから10年が経過した今だと、ヴィジブル・ユニットのような物の登場も間近ではと思える。
が、仮に自分が目にした物を全て録画したとしても、その殆どは見返すことが無いような気がして、かなり無駄が多いのではと思います。
それと、これだと基本的に自分自身の姿は映らない。他人の記録に映った自分を検索出来るようなシステムも有ってもいいかもしれない。
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