人工血液と気象兵器 クラウド・ナイン

クラウド・ナイン 服部真澄

エクサバイト」に続いて読んだ服部真澄さんの作品。これまでは人間が手出しできないとされてきた神の領域に、最先端技術を駆使して踏み込む話です。

その一つは人工血液を作り出すこと。サワタリと呼ばれるその人工血液は、赤血球から取り出したヘモグロビンを3個ずつ組み合わせて、まわりをあるタンパク質でくるんだ、大きさ15ナノメートルの粒子重合体でした。

そのため、赤血球が入り込めない細い血管にも粒子重合体は酸素を運べる。そしてこの人工血液は血液型がなく、リーズドライで持ち歩けるという。

そしてもう一つは、ピーコックと名付けられた衛星を使った宇宙太陽光発電でした。ミラー衛星で太陽光を受けて、そのエネルギーをマイクロ波にして地上に送る。

ただ、このマイクロ波を悪用すれば、地上の電子機器をクラッシュさせることも可能。さらに、その熱によって台風の発生や消滅をコントロールできるという、気象兵器にも転用できる。

台風と言えば、近年は日本にやって来る数が多いです。昨年の2016年は6個も上陸し、その進路も異例で、まさに気象兵器で日本が狙われているように思えるほどでした。

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