2015年1月発行の単行本です。
主人公は、4歳のころから飢えて育った峰岸晄。そんな彼の暗い心の底に差す、唯一の光を奪い去った奴らに仕返しする物語です。
復讐方法の一つが、いわゆる地面師のように、他人の土地を自分の物のように偽って売買することで経済的打撃を与える、でした。
少し前に、大手企業が地面師によって大金を騙し取られたという事件が報じられましたが、それと同じだなと思いながら読んでいました。
あと、スパイウェアを使ってパソコンから、情報を盗み取ったりもします。
この小説は、主人公の視点で展開していくのですが、それが淡々と進む感じで、先が読めない。
で、「このラストに、あなたは必ず衝撃を受ける」と、本の帯に書いていありましたが、確かに、結末はそう来るかと言う驚きが大きかったです。
復讐をする動機となった、心の底の光が何なのかが分かるのですが、それは私にとって予想外でした。
価値観の違いとも言えるのですが、暗い過酷な幼少期において、それが明るく強い光だったと言うことでしょう。
貫井徳郎さんの作品を読んだのはこれが初めてですが、暗い感じが気に入りました。他の作品にも興味がわいてきました。
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