東京電力が12月2日付けで福島原子力事故調査中間報告書を公表していたので読んでみました。
今回は設備に関することがまとめてあるようで、地震と津波に関して同社が行ってきた対策とその根拠、今回襲ってきた規模や被災後の対応状況などを詳しく説明していました。
その中で、津波については一貫して土木学会が示した「原子力発電所の津波評価技術」に基づいて高さを想定して対応してきた。でも今回はそれを上回ってしまった。想定外ですと言いたいよう。ただ河野太郎さんに言わせるとこの学会の指針は「お手盛り」らしいです。
地震については「原子炉等の安全上重要な設備は,地震直後においても安全機能が保持された状態にあった。」としている。
その理由として、津波に襲われるまでの運転データに異常は確認されていない事などをあげていました。そして地震の規模に関して下記のように書いていて、自分たちが想定した通りだったと言っている。
今般の地震はきわめて規模が大きいものであった。しかし、福島第一原子力発電所への影響という点では、設計用の基準地震動Ssが発電所近辺の活断層による地震に基づいて設定しているため、施設へ到達する地震動という点では同程度となった。
検証委員会が報告書の書き方として、事実を淡々と,正確に、東電に有利に働くような恣意的・意図的な記述は避けることと注文を付けているようですが、読んだ感想は、津波に関しては学会のデータに基づいているので自分たちに非は無い、逆に地震は想定内ですと自信満々と訴えているように思える。
自然の力は人間が一生懸命に調査研究して想定したものをあっさりと超えてしまう。
地震の規模にしたって今回はたまたま想定内だっただけのことで、次は超えられてしまう可能性は十分あると思います。
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