不十分な原発再起動の新基準

昨日、関西電力の大飯原発再起動を見据えて、政府は原子力発電所に関する四大臣会合で原発の再起動にあたっての安全性に関する判断基準を決めました。

4大臣とは野田佳彦 内閣総理大臣、藤村修 内閣官房長官、枝野幸男 経済産業大臣、細野豪志 内閣府特命担当大臣です。

経済産業省がホームページで新基準に関する資料を公開していたので読んでみた。

そこで言っていることは、東電の場合、地震によって起きたことは外部電源喪失であって原発自体は正常に停止をした。しかしその後に津波によって配電盤や発電機などがダメになり炉心冷却が出来ず現在に至る、という基本的理解です。

なので炉心を冷やすのに必要な水や電源を複数系統準備しましょう。そうすれば東電のような事態は防げるというものです。

これはストレステストの一次評価で見た対策と似た内容です。新基準も一次評価もそのベースは保安院が策定した30項目の対策なので似ているのは当然です。

政府が言う基本的理解は本当にそれで良いのだろうか。地震で原発は壊れなかったというのが安全神話になりつつあるように思う。もし大飯が巨大地震に見舞われたら、福島と同じような展開になるとは限らないし、作業員の操作ミスや判断ミスも有り得る。

今回示された新基準は不十分と思う。もし地震で損傷したらどうなるか、もし冷却手段が全て機能しなかった場合はどうするのかなど最悪のケースも想定して基準を作りテストしたほうがいいと思う。

会合後の記者会見で、新基準で再稼働させた原発で重大事故が起きた場合について問われ、枝野さんは「政治的な責任は間違いなく、この4人が負う」と述べたとか。政治的責任とは辞任でしょうか。原発事故の被害と比べて辞任はあまりに軽すぎる責任の取り方です。

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