航空漫画 読書録
瑠璃の翼
著者:笠原俊夫(世界文化社 刊)
1999年に世界文化社から発売されたSEBUNコミックスです。作品自体はその7年ほど前にコンバットコミック誌で発表されたものだそうです。
話の舞台は2012から13年、尖閣諸島の領有権を巡る争いで奮闘する航空自衛隊です。本の帯には近未来エアー・コンバットと書かれていますが、私がこの文章を書いている今は2013年ですから旬の話題です。
ただ、現実と違って漫画の中では米軍は日本国内から完全に引き上げていて、日本は自力で国を守ることに。そのため新型戦闘機XF-3を完成させています。
XF-3はミツボシ重工が開発した前進翼機です。カナード翼を備え、機体上部後方に空気取り入れ口がある。
アクティブステルスや機体表面を覆った色素パネルによって機体を瞬時に周囲の色に同化させるカルトエフェクト機能などハイテク満載です。
そして最大の売りは無人戦闘機のプロトタイプだということです。パイロットに異常が起きた場合、コントロールはコンピュータが受け継ぐようになっていて、もちろんコンピュータ制御によるドッグファイトも可能です。空中戦において最大の弱点となる人間の体を必要としない究極の戦闘機になるはずでした。
紫電改のタカ
著者:ちばてつや
1976年に発売された講談社漫画文庫(全6巻)です。この作品は1963年7月から週刊少年マガジンで連載されました。
話は太平洋戦争末期の昭和19年夏、台湾の高雄基地から始まります。そこに展開する紫電で編成された701飛行隊の少年兵 滝城太郎一飛僧が主人公です。彼は「逆タカ落とし」と呼ぶ戦法で米機に立ち向かう。
昭和19年12月、新たに編成された、紫電改を主力とする海軍343航空隊(剣部隊)に加わる。
結末は特攻隊員として飛んで行きます。